2017/1/22
/ 最終更新日 : 2017年1月22日
作業員
00.現場
00.現場05.外観05.ガーデン&外構20.『三度目の家物語』
2017年、年明け早々の引き渡しの家、第二弾。
「三度目の家物語」、晴天青空の下、
本日引き渡しを終えることが出来ました。
神奈川県の平塚市、平屋で約75坪の家。
思えばこの家にも、いくつものいつもとは違う大きなハードルがありました。
まず、自分よりもかなりご高齢である70代のご夫婦の家である、と言う事。
そして、お二人にとっては今回で三度目の注文住宅の家創りであると言う事。
そこに求められるのは、今度が本当に最後の「終の住処」となる家であり、
いままでの家での数々の改善点をクリアーさせた、
「血の通った温かい家」ということを強く求められました。
作り上げた設計図書から、現場に入ってからも多くの変更や改善を繰り返し
ようやく引き渡しまで漕ぎ着けることが出来た、、、というのが本音です。
そしてまだまだ、住みながら自分たちに合わせて手直しを行っていく、
ということでいえば、まだ完成とは言えない通過点なのかも知れません。




オーナーとの世代間のギャップを越えながら、
出来上がった外観が、緩やかな大きな屋根の
どっしりとしたアメリカのミッドセンチュリーの家のイメージでした。
70代のオーナーにとっても、若かりし頃の「豊かな時代のアメリカ」は
ひとつの憧れの象徴であり、
その想いを現代風な解釈でデザインしたのがこの外観です。


大きなハンガードアを開け、エントランスポーチのセカンドガーデンの
設えです。
ここも計画段階では、水盤を設けたモダンなミニマムガーデンでしたが、
和の設えのしっとりとした静かな庭へと変更になりました。
ネイチャー・デコール・ガーデンチームもその要望にお応えし、
苔と水鉢、飛び石を配したミニマムな「和」を表現出来ました。
外観からの流れ的には、流行のドライガーデンあたりがしっくりと来るのでしょうが、この意外性もなかなか良いものです。
最近、僕自身もこうしたミニマムで静的な「和」に惹かれています。
やはり年齢のせいなのかな? わかりやすいインパクトよりも、
料理で言う「出し味」のようなじわじわっとくる、奥行きのあるものに気持ちがいってしまいます。



リビングやダイニングに繋がる、南側の庭も、再考に再考を重ね、
当初は、キッチンガーデンやBBQスペース、そしてパーゴラで繋がる
東屋があるようなガーデンライフを楽しめる「動的」な提案でしたが、
テラスと芝をベースに観賞用の植栽を配したシンプルなものとなりました。

家を作りながら、設計を変更していくことは現場にとってもとても
大変な事であることは否めません。
ただ、70代になっても自分の理想の家を追い求め、出来たものを修正していく事は、とても情熱がいることでそれでも妥協せず自分にフィットした家を諦めずに手に入れたい、その想いはなかなか誰にでも出来る訳ではありません。
そういう人生の大イベントに立ち会え、一緒に関われたことは自分にとっても
大きな経験であり、財産だと感じます。
そしてオーナーにとって本当にこれが最後の、
「終の住処」を完成させるのには、もうしばらく時間が掛かりそうですが、
この三度目の家創りで必ず、その夢は実現させていきたいと思います。
家創りって、ほんとうに一軒一軒 ドラマがありますね。