06.家創りのヒント

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「グラフィックワークを住宅に取り入れても面白い!」

06.家創りのヒント20.『行列の出来るレディースクリニック』01.ホームグラフィクス01.サイン・看板・ロゴデザイン

 

先日竣工写真の撮影にいった、レディースクリニックの事例をもとに、
サインやグラフィックワークをもっと一般住宅にも取り入れても面白いのでは?
ということで、その可能性についてお話ししたいと思います。

 

ここでは、グラフィックデザイナー、イラストレーター、など
一般の住宅建築の現場ではあまり登場しないクリエーターも、
ネイチャー・デコールパートナーとしてプロジェクトに参画してもらい、
トータルコンセプトに従い、製作してもらいました。

館内マップ
広い館内、わかりやすくマップ化した館内表示を入口付近に設置しました。

いわゆる平面図をグラフィカルにデザイン処理して、
素材も赤サビ鉄板を切り抜き、内照式の光で浮かび上がるようにしました。

 

 

 

イラストマップ
2
マップ化した館内表示だけではわかりにくい…といった年配の方や、
急いでいる方に向けては、簡単なピクトグラム(イラスト化した記号)の様な
ものに、フロアと矢印をつけて、ビジュアルでわかるようなものもデザインし
クリニックの中央部分に用意しました。

 

機能性と遊び心を兼ねたデザインですね。

A

B

65_large

各室のドアの横には、15センチ各程度のデザインされたルーム表示を作りました。

凝ったドアに、ありきたりな表示プレートでは残念ですのもね?

 

 

A表示

A

B表示

B

 

そして、このレディースクリニックの目玉のひとつ、
12室の宿泊ルーム、その各部屋には、ハーブの名前を付けました。

入口には、「ジャスミン」「ネロリ」「ラベンダー」などのハーブの名前のプレートがあり、
部屋に入ると、一面の壁にそのハーブのイラストと、簡単な効用が英語で書かれ
それぞれのイメージのアクセントカラーと共に、インパクトウォールとなってます。

 

こんな部屋で、新しい生命の誕生を迎える…なんてワクワクしますよね?

 

こういったグラフィックワークを一般の住宅に取り入れてみるのはいかがですか?

 

たとえば、表札、現代の家紋などをデザインしてみたり、
入口付近に間取り図をデザインしてみたり、ルーム表示、自宅のホームカード等々
色々なイメージが広がりますね。

 

自分の家だからこそ、自分たち家族の手跡を残す。

 

そんな遊び心のある、オリジナルの演出として「ホームグラフィックス」を
取り入れていくことをオススメします。

 

「ホームグラフィックス」新しいカテゴリーですね。

 

「スキップフロアの家」

05.スキップフロア06.家創りのヒント05.高天井

ネイチャー・デコールでは少ない事例ですが、都心部でのスキップフロアの計画で、
延べ床面積30坪以下を五層のフロアで構成し、
自然光溢れる伸びのある空間に仕立てたお宅をご紹介します。

地階に天井高4mのリビングルームをとりました。
地階にも関わらず、ドライエリアとトップライトからの明るい陽射しが充分に取り込めました。
ドライエリアには「サウスサンドストーン」
を貼り、都市型のリゾート感のある演出をしております。
地階であることを忘れてしまいそうな、
明るく開放的な空間。
リビングから、更に90センチ下がった階層に、ワークルーム&ファミリールームがあります。
ここはこもって、本を読んだり家族の団欒スペースとしても重宝しています。
天井高はぐっと低めに2.1m程度に設定しています。
おこもりにはもってこいの、落ち着ける高さですね。
1階のダイニングゾーンから見下ろした
リビングルーム。
それぞれの階で、目線の広がりが変わり、実際の床面積よりも広く感じ取れるのが、
スキップフロアの良さであり、
面白さでもあります。
敷地面積に制約のある都心部や、
遊び感覚を取り入れて計画したいお宅に
是非、スキップフロアをオススメします!

「猫も楽しむロフトスペース」

06.家創りのヒント03.ペットと暮らす05.吹き抜け05.キッチン20.『仕事場併用のペット共生住宅』

 

素材と色を変えて、家の中にもう一つの家がある様なイメージで、

キッチンの上にロフトスペースを作りました。

都心の狭小地に計画したこの家は、
三階部分にLDKをもってきて、
勾配天井を生かした、吹抜けを設けました。
更にキッチンと多目的カウンターの
天井高を低く抑え、その上にロフトがあります。

 

ロフトには、こうしてスチールのハシゴをかけて、登っていきます。

このロフトスペースは、この家の猫のお気に入りの様で、
こうして階段を脚を掛けながら、まるで人間の様に登って行きます。
そして、こんな感じで、猫ちゃんの
良い遊び場になってました。

「ホームバーのある家 その後」

03.ホームバーのある暮らし06.家創りのヒント20.『地中海の白い家』04.地中海スタイル

 

以前このブログで紹介した「ホームバーのある家」

2013年にお引き渡ししたお宅ですが、
そのBARも活躍の場が多いようで、その後良い感じで自分流に使い込んでいました。

トップ
HOME BARの全景はこんな感じですが、
花を生け、お気に入りのレコードをディスプレイし、
お酒や、グラス類も充実してきました。

天板
このBARでは厚み60㎜のパインの古材を天板にしています。

磨き上げた艶具合もさらに味わいが出てきてます。

イス
ビビッドな地中海ブルーのイスがこのBARの良いアクセントになってます。

ビールサーバー
2
そしてプロ仕様その.1
なんと、生ビールサーバーが備え付けられてます!

自宅でいつでも生ビールが飲めるなんて、これは羨まし!

コールドテーブル
プロ仕様その.2
業務用の小型コールドテーブル(冷蔵庫)がある。

このBARの規模でこの冷蔵庫があれば、色々楽しめますね!

いつも、良い感じに冷えた美味しい日本酒を頂いてます。。
いつもいつも、ありがうございます!

グラスケース
プロ仕様その.3
このグラスケース、引き渡し当初は、オープンの棚でしたが、その後追加で
扉を付けました。
それもそのはず、まるでお店の様にここの中には様々なグラスが用意されてます。

大げさですが、「人生を楽しむ為の家」というコンセプトで創ったこのお宅。

そんなお楽しみのワンシーンがこのHOME BARなのですが、
楽しんでますね!
こだわり、のめり込み方もハンパ無いです。(笑)

 

「若干27歳でデザインしたCLUB 我ながらイケてるぜ!」

02.古材06.家創りのヒント12.ショップデザイン09.想うこと

 

私の空間デザインのスタートは様々なショップデザインからはじまりました。

若干27歳の頃にデザインしたCLUB
こんな店で遊びたい! こんな店に彼女を連れて行きたい!
そんな思いのまま、その時期一番自分が行きたい店をデザインしたのがこのCLUB。

今、見てもその頃の熱いパワーが伝わってきそうなこのお店。
我ながらイケてるぜ! …と自画自賛からはじまりました。

なんと今から27年前の古ーい話ですね。
バブルの時代感も満載です。

このお店は、当時雑誌POPEYE 年間クラブオブイヤーの第三位に選ばれた
人気のCLUBでした。
お店のコンセプトは、「女の子を口説けるお店」
今思うとなんかバカバカしいが、当時の必死さも伝わってきます。(笑)

そのお店の写真を振り返り、今の住宅デザインにもつながるエッセンスを
解説していきます。

写真 4
雑居ビルの地下2階にあったこのお店。

エレベーターを下りるとあえて天井を低めに設定したレンガのアプローチ。
上からの照明を抑えて、床からのアッパーライトで浮かび上がらせ、
不安な暗く長いアプローチを歩くと、スチールの重いドアがあります。
そこがこのお店の入口。
期待感と不安感を演出したこのアプローチ、
彼女の手を引いて入っていくわけです。

そしてこの重いドアを開けると、いきなり下から強烈な光にあおられ、
一瞬その光の強さに驚いてしまう…という仕掛けを用意しました。

もうすでに、ワクワク感満載ですね。

写真 1
お店に入るとこんな全景です。

使われなくなった廃墟の様な古い倉庫を、改装して出来上がったイメージ。
壁にはその時代の古いレンガ、そして何故か朽ち果てたギリシャ様式の柱、
壊れた壁のレンガからは中世のフレスコ画が…
天井からはゴージャスで巨大なシャンデリアが2灯。

当時、こんなシャンデリア見つけるのが大変だった~

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スチール黒皮サンダー仕上げの長いアールのBARカウンター

床はモルタル仕上げ

古いモノと新しいモノを融合させながら、オリジナルの製作品を加えていくのは
この頃からの自分のデザイン手法のひとつでした。

このスケルトン天井からの布使いがなんか時代っぽくて古い感じがしますが。。(汗)

このカウンターでは当時、色々なドラマが展開されたな!

写真 2
錆び鉄板にお店のロゴをくり抜き、そこにテクスチャーが浮かび上がるように
狭角のスポットライトのラインを付けてます。

ブルーのグラスケースの光がまた色っぽい。

写真 3
この壁も、なかなか廃墟感でてないですか?

もともとあった壁を壊したら、そこからなんと中世のフレスコ画が…なんて
いったい当時はなにを考えていたんでしょう。(笑)

このお店のコンセプト「女の子を口説けるお店」というように
インテリアデザインにからめて色々な仕掛けを落とし込みました。
また、オペーレーションの形態も提案しました。
具体的には、
1.歩く人と目線が会うように入口付近の席は全てハイテーブル&ハイチェアー
客席にも段差を付けて歩く人とテーブルの人とが目を合わせられるようにすること。
2.コップをもってどこの席にも移動出来る様に、テーブル会計ではなく
キャッシュオンデリバリーであること。
声を掛けやすいシチュエーションをつくりました。
3.あえて照度を変えて、親密に話せる暗闇と明るいところをつくり、
話の展開で場所を移動出来る。
4.入口付近にVIP席のような重厚なソファセットを置いて、そこにはいつも優先的に
綺麗な女性を…. 男性客はそれを目当てにまた来てしまいたくなります。
VIP席は奥でコソコソと、という当時のディスコのお決まりを壊しました。
5.DJブースを設け、彼女の好きな曲をいつでもリクエスト出来る、
当時はレコード盤に針を落としてました。

等々、様々な仕掛けと仕込みを、デザインにマッチングさせていきました。

多分、こんなアプローチから住宅をデザインしていく…なんて
自分くらいなものなんだろうな~ 異端といえば異端です。(笑)

ワクワクとした期待感、サプライズ、ストーリー性のある空間、
段差によるエリア分け、明るいところと暗いところ、
古いモノと新しいモノ、オリジナルな創作品、

これらは、今も住空間デザインに生きている共通したエッセンスです。

そして、「感じるデザイン!」 Dont think FEEL!
これは、かたちから創り上げるものではなく、人の内面の心理的なものから
創り上げるデザインということで、今に繋がるコンセプトになっているようです。