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「我が家の年輪」

09.大浦比呂志 LIFE09.想うこと

 

今年もまた年輪が刻まれました。

 

「バカラコレクション」
これは、自分で選んで集めているものでは無く、毎年の記念日に
奥さんからのプレゼントで 、ひとつずつ集まってきたものです。

 

もうそろそろ20個近くなりそうです。。(汗)

トップ
我が家のHOME BARに並べてみました。

お~ 圧巻!

毎年の思い出と共に、我が家の年輪のように刻まれています。

 

写真 1
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そして今年は繊細なカットがとても綺麗な「ナンシー」という
タイプのグラスをプレゼントされ、コレクションに新たに加わりました。

 

「ナンシー」の名前の由来は、バカラの工場が建てられた
ロレーヌ地方の都市の名前であります。
パリから約40km東にあるナンシー市。
そのバカラ村にガラス工場を作ったのが始まりでした。

 

はじまりの場所、それがNancy(ナンシー)。らしいです。

 

もしや、これは初心に帰れ…という遠巻きなメッセージ付きか?(笑)

 

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カットや柄も様々で光をあてるとまた綺麗です。

 

最近は氷を入れてシングルモルトやバーボンをやることは少なく、
もっぱらハイボールばかりなのですが、、
たまには、グラスを選んでスローに一杯やるのも良いものですね。

 

今、この「バカラコレクション」が綺麗に納まる、
オリジナルのグラスケースをBARカウンターの上にデザインしてみたくなっています。

ラスト

こんな感じに、昨年出版した、自分の本「MIND MAP」

にも、大浦家では欠かせない、大切なモノや生活の一部を他にも紹介しております。

 

「若干27歳でデザインしたCLUB 我ながらイケてるぜ!」

02.古材06.家創りのヒント12.ショップデザイン09.想うこと

 

私の空間デザインのスタートは様々なショップデザインからはじまりました。

若干27歳の頃にデザインしたCLUB
こんな店で遊びたい! こんな店に彼女を連れて行きたい!
そんな思いのまま、その時期一番自分が行きたい店をデザインしたのがこのCLUB。

今、見てもその頃の熱いパワーが伝わってきそうなこのお店。
我ながらイケてるぜ! …と自画自賛からはじまりました。

なんと今から27年前の古ーい話ですね。
バブルの時代感も満載です。

このお店は、当時雑誌POPEYE 年間クラブオブイヤーの第三位に選ばれた
人気のCLUBでした。
お店のコンセプトは、「女の子を口説けるお店」
今思うとなんかバカバカしいが、当時の必死さも伝わってきます。(笑)

そのお店の写真を振り返り、今の住宅デザインにもつながるエッセンスを
解説していきます。

写真 4
雑居ビルの地下2階にあったこのお店。

エレベーターを下りるとあえて天井を低めに設定したレンガのアプローチ。
上からの照明を抑えて、床からのアッパーライトで浮かび上がらせ、
不安な暗く長いアプローチを歩くと、スチールの重いドアがあります。
そこがこのお店の入口。
期待感と不安感を演出したこのアプローチ、
彼女の手を引いて入っていくわけです。

そしてこの重いドアを開けると、いきなり下から強烈な光にあおられ、
一瞬その光の強さに驚いてしまう…という仕掛けを用意しました。

もうすでに、ワクワク感満載ですね。

写真 1
お店に入るとこんな全景です。

使われなくなった廃墟の様な古い倉庫を、改装して出来上がったイメージ。
壁にはその時代の古いレンガ、そして何故か朽ち果てたギリシャ様式の柱、
壊れた壁のレンガからは中世のフレスコ画が…
天井からはゴージャスで巨大なシャンデリアが2灯。

当時、こんなシャンデリア見つけるのが大変だった~

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スチール黒皮サンダー仕上げの長いアールのBARカウンター

床はモルタル仕上げ

古いモノと新しいモノを融合させながら、オリジナルの製作品を加えていくのは
この頃からの自分のデザイン手法のひとつでした。

このスケルトン天井からの布使いがなんか時代っぽくて古い感じがしますが。。(汗)

このカウンターでは当時、色々なドラマが展開されたな!

写真 2
錆び鉄板にお店のロゴをくり抜き、そこにテクスチャーが浮かび上がるように
狭角のスポットライトのラインを付けてます。

ブルーのグラスケースの光がまた色っぽい。

写真 3
この壁も、なかなか廃墟感でてないですか?

もともとあった壁を壊したら、そこからなんと中世のフレスコ画が…なんて
いったい当時はなにを考えていたんでしょう。(笑)

このお店のコンセプト「女の子を口説けるお店」というように
インテリアデザインにからめて色々な仕掛けを落とし込みました。
また、オペーレーションの形態も提案しました。
具体的には、
1.歩く人と目線が会うように入口付近の席は全てハイテーブル&ハイチェアー
客席にも段差を付けて歩く人とテーブルの人とが目を合わせられるようにすること。
2.コップをもってどこの席にも移動出来る様に、テーブル会計ではなく
キャッシュオンデリバリーであること。
声を掛けやすいシチュエーションをつくりました。
3.あえて照度を変えて、親密に話せる暗闇と明るいところをつくり、
話の展開で場所を移動出来る。
4.入口付近にVIP席のような重厚なソファセットを置いて、そこにはいつも優先的に
綺麗な女性を…. 男性客はそれを目当てにまた来てしまいたくなります。
VIP席は奥でコソコソと、という当時のディスコのお決まりを壊しました。
5.DJブースを設け、彼女の好きな曲をいつでもリクエスト出来る、
当時はレコード盤に針を落としてました。

等々、様々な仕掛けと仕込みを、デザインにマッチングさせていきました。

多分、こんなアプローチから住宅をデザインしていく…なんて
自分くらいなものなんだろうな~ 異端といえば異端です。(笑)

ワクワクとした期待感、サプライズ、ストーリー性のある空間、
段差によるエリア分け、明るいところと暗いところ、
古いモノと新しいモノ、オリジナルな創作品、

これらは、今も住空間デザインに生きている共通したエッセンスです。

そして、「感じるデザイン!」 Dont think FEEL!
これは、かたちから創り上げるものではなく、人の内面の心理的なものから
創り上げるデザインということで、今に繋がるコンセプトになっているようです。

 

「ハッピーカラーに包まれて」

08.インテリアコーディネート06.家創りのヒント20.『地中海の白い家』08.カラーリング(色について)02.壁材・塗装08.カーテン

 

自分の部屋を自分の好きな色、ハッピーカラーにペイントして、自分だけのお気に入りの空間に…

奥さんの寝室を、そんな希望で一面
「ラベンダーカラー」にペイントしました。ラベンダー系の薄紫がとても心惹かれる自分にとってのハッピーカラーの様です。
ベッドヘッドの一面を、この様に
ラベンダーカラーでペイントしました。
ベッドの上のクッションやベッドカバーも、パープル~薄紫~ピンク系の優しい同系色でコーディネートされてます。
壁の色と同様に、この部屋の印象を更に引き立てているのが、ラベンダー色のカーテンや絶妙なバランスのタッセルなど、細部までカラーバランスが計算されてます。
カーテン回りのコーディネートは、
ネイチャー・デコールの家のフィニッシュでは欠かせない、「ロブジェ」の吉野さんによるものです。
優しい花のスタンドライトのシェードも
この部屋らしく良い感じ。
そしてなんと小さな心使い。
ライティングデスクの上には、
この部屋のハッピーカラーに合わせた色の花が生けられていました。
「アンスリウム」という花らしいです。
人生を楽しみながら、丁寧に生きている。そんな感じが窺えますね。

「螺旋階段のエントランスホール」

01.エージング・ペインティング01.アイアン05.玄関・アプローチ05.階段

 

約8帖のエントランスホールに広がりを見せる為に、
抜けの良いスチールの螺旋階段を設けた事例です。

床は玄関のたたき部分からホールまでを
同一素材で統一させ、フロアが自然に繋がる様に見せてます。
たたきの立ち上がり部分も柔らかなアールを用いて、
螺旋階段同様に極力直線のラインを排除したデザインになってます。
そして、正面の大開口折れ戸を開けると、ワイド2400㎜の間口で、
四季を感じる中庭へと繋がります。
ネイチャー・デコールではお馴染みの、
玄関前のピクチャーウインドです。
正面のレンガ風壁、実はお隣の外壁を
借景にさせていただいてます。
この4帖程の小さな中庭ではありますが、
空間の奥行き感にプラスして、
ライトコートとしても、エントランスホールに自然光を運んできてくれる役割があります。
この東側の光がとてもありがたい!
エントランスホールには、
間口1800㎜ 高さ2100㎜のたっぷり収納の
シューズボックスを造作しました。
シンプルなエントランスに打って変わって、コッテリとした面材にグレーッシュ
な独特なエージングで仕上げてます。
このミックス感が、ネイチャー・デコール流デザインですね。

「犬との共生住宅 そのココロは?」

06.家創りのヒント09.大浦比呂志 LIFE03.ペットと暮らす09.想うこと

 

ペット共生住宅はなかなか一言では語れず、その回答も千差万別ですね。

最近ではハード面においても、「ペットに優しい」などのふれこみで、様々な住宅建材が出ています。
でもそれらほとんどが、ペットには良いが、いまひとつデザイン性が悪いとか、
一般ユースでは使い勝手に難ありとかで、人と適合させていくのは、なかなか難しいものばかりです。
我が家でも、2頭のラブラドールレトリバーが居て、もう何年もペットというより、パートナードッグとして欠かせない存在になってます。
そんな自身の経験から、思うことは、
「人にとって快適な空間は結果、ペットにも良い」という事。
特に犬というのは、人間のエネルギーを敏感に感じながら生きていて、
なんかイライラしている、なんか気持ちがワクワクしている、と言った人の発するエネルギーを人間以上に感じとれる能力が備わっている様です。
そんな事から、家主が快適で居れる空間こそが、パートナーである犬にとっても
快適な空間であると、私は思っています。
これは、うちの犬がまだパピーの頃、
あらゆる家の中の木部を甘噛みしていた時期のもので、階段の一段目に残るその跡です。
初めの頃はいちいち目くじらたてて気にしていたものですが、今となっては
もう何年も連れ添ってきたパートナーの
思い出として、そんな傷跡さえ愛おしく思えてくるものですね。
人もペットも心地よく居れる空間こそが、本当に望ましい「ペット共生住宅」
と言えるんだと思います。