02.左官

BLOG一覧

「地層壁(版築壁)の完成!」

02.左官00.現場02.壁材・左官

今 進行中の住宅で試みた地層壁(版築壁)が遂に完成!

この仕上げは、初めての試みでもあり、
手間と予算が掛かる…そんな仕上げです。
実際の施工期間は4日~5日。
この間は、他の工事を入れずに、
版築壁の施工だけにしました。
現場でのサンプル再確認から仕上がりまでの工程を簡単に紹介します。
実際の仕上がりとサンプルボード。
伝統的に行われてきた「版築」とは
1、まず柱を立て、板などを使い型枠をつくる。2、次に板で挟まれたところに土をいれる。
小石や砂利、藁(わら)や粘土を混ぜて丈夫にする。
一層は10㎝より低くするほうがより丈夫になる。3、たたき棒などで固く突き固める。
厚みがある場合は人力で踏み固めることもある。4、板の高さいっぱいまで固めたら
板を継ぎ足すか、板をはずして次の型枠をつくる。
 (以上 「なには漆喰講座」 より)
といった工程で行われてきたものを、
今回の施工は「塗り版築」といって、
一般の壁の上からでも施工を可能にした、
左官で薄塗りしてその表情に近づける
「版築壁風」の仕上げです。
事前に色は決めていましたが、再度現場にて、色とパターンそしてテクスチャーをボードの上で打合せ~調整をしながら
決めていきます。
サンプルボードで方向性を決め、
そして、実際に塗り始めてもらいます。
今回は、そのボリュームも大きいので、
広い面を通してどう見えてくるか、
全体的なバランスを見ながら、現場で確認していきます。
約10センチ~20センチの
層の重なる部分は、この様にその都度
ライン養生をしながら、塗り重ねていきます。
そして仕上がりの感じはこんな様子。
まだ、完全に乾ききってない状態ですが、色はもっと薄くなってきます。
色の微妙な違い、砂利の大小の組み合わせ、砂や土の配合、層の大きさとうねり
これらが相まって、地層の様な表情が
感じられます。
この版築壁は一階から二階の階段室の
壁に仕上げたものですが、
やはりこのような大きな面で仕上げていく事で、より効果的です
手間と時間、そして費用を掛けた、
存在感とオリジナリティーの感じられる、とても印象深い仕上がりになりました。

「今日の現場 鎌倉の家」

02.左官02.タイル05.階段12.リノベーション20.『サンタフェ・リノベーション』の家

 

まだまだ梅雨ですね、、雨でなかなか現場も足踏み状態ですが、
先日ようやく木工時も終わり、
これからいよいよ仕上げ工事に突入!
そんな「鎌倉の家」の進捗の確認に行ってきました。

この時期は「紫陽花」で有名な鎌倉ですが、
雨の日でもしっとりとした、良い環境です。

トップ
キッチンの勝手口から、庭を見た景色。

ところどころに、白い紫陽花「アナベル」が綺麗に咲いてます。

1

2
この緑豊かな環境に合わせて、当初計画していたオレンジがかった茶褐色から、
色を落ち着かせ自然なカラーに変更して、やはり正解でした。
違和感なくまわりの緑に馴染んでいます。

そして大胆な鏝を動かした左官のテクスチャーと肉厚感を持たせた
コーナーのアールもイメージ通り。

1

2

3
室内は、左官壁の下塗りが終わった段階でこれから仕上げの
珪藻土が塗られます。

前回ダメ出しで、大工さんに作り替えてもらった
階段のスタートのアールも良いラインに出来てます。

これから左官の仕上げをする前に、
更にコーナーをもっと大きなアールをとってもらうよう
ここで再度、左官屋さんに下地調整をしてもらいます。

1

2
今回のテーマが「The Santa Fe」ですが、
サンタフェには欠かせないアイテムがこのメキシカンタイルです。

なんともいえない、この歪なかたちと、鮮やかな色味。

ここのところ、しばらく使っていなかったマテリアルですが、
やはり、ホッコリしたこの感じ。
本来、自分は大好きなんだな~ と再確認しました。

アール

完成まであと、一ヶ月くらい。

これから現場は仕上げに向けてどんどん様変わりしていきます。

 

「研ぎ出しの天板 作りました」

02.左官05.パウダールーム07.シンク・バスタブ・トイレなど衛生陶器20.『仕事場併用のペット共生住宅』

確か昔、小学校のグランドの片隅の水飲み場にあった様な、

レトロで懐かしい感じがします。
研ぎ出し天板の洗面台を作りました。
この洗面台は、天板だけでなく立ち上がりや側面もすべて研ぎ出しで仕上げてます。
これは、現場作業で研ぎ出しを行ったのですが、やはり埃が凄い!
あたり一体が、研ぎ出されたモルタルや石粉で真っ白になってしまうため、しっかりとした現場養生が必要です。
仕上がりはこんな感じで、天板に傷や汚れも気にせず、タフに使える点は良いですね。

「モロッコ漆喰 タデラクトでカウンターを仕上げました!」

02.左官00.現場12.ショップデザイン20.『街で人気のパン屋さん』

今回は、とても珍しい素材、「モロッコ漆喰 タデラクト」で仕上げたカウンターを紹介します。

このモロッコ漆喰、日本でもこれを施工出来る職人さんが数名しかいない、という特殊なものです。

写真 1
カウンターの全景はこんな感じです。

天板に厚みを75㎜もたせて、素材の存在感を表現してます。

石では表現出来ない、なんとも温かな良い表情で、ネイチャー・デコールらしいマテリアルです。

写真 2

写真 3

写真 4

モロッコ漆喰は、もともとはモロッコのマラケシュ地方の伝統的な左官工法で、
表面が硬化して耐水性にも優れた材料です。
漆喰なのに、水回りにも使える!というのも魅力的ですね。

ヨーロッパの方では、流しやお風呂の浴槽などでも使っているようです。

原材料は、「マラケシュ石灰」で鏝ではなく、石を使ってこりこり磨いていきます。
そこで、色ムラと凹凸が味わいとなる、独特な仕上げです。

仕上がりをみると、全体的に硬化して表面はグラスや食器など固いモノを置いても
全く問題無さそうですが、コーナーはデリケートに扱わないとならなそうです。
また、微妙なヘアークラックが出てくるところもあり、簡単に自分で補修もできるのですが、
いわゆる、人工大理石や自然石の強度までは見込めなそうでした。

スカッ!とした精度を求める方には、少し神経を使いますが、
味わいとしての素材感を大切にしたい人にはとても貴重でオススメの良い材料です。

 

「白漆喰の蔵の様な家」

02.左官02.ブリック00.現場02.壁材・左官05.外観04.フレンチスタイル

 

今日は竣工写真の撮影。
このお宅は敷地の中に昔ながらの蔵があり、隣合わせで新しい家を計画しました。
現代の蔵の様に、シンプルでモダンな設えの外観デザインです。

画像1

外は、全て白漆喰で仕上げてます。

画像1

敷地内に隣接している蔵はこんな感じ。

時代を感じる趣のある蔵ですね。

画像1

期待感をそそる、グレーブリックで囲われたエントランス。

シンプルな三角屋根の外観にキュービックな四角いグレーの箱を繋げたイメージでデザインしました。
画像1

今日は、朝からうちのニコルも撮影にお付き合い。

どこでも、自分の家の様に寛いでしまう、天然ニコル。

画像1

画像1

室内は、外観とは一変して、
シンプルなフレンチスタイルの内装です。

一般より高く設定した天井が、海外仕様です。

画像1

画像1

明るく、使い勝手の良いオーダーメードキッチン。

奥様の一番のお気に入りのVIEWポイントが、このキッチンから、カバードポーチ越しに見た、この外をのぞむ景色との事です。

建て替えにより、新しい生活が始まりました。

今まで気にとめなかった、インテリアや素材感、外の景色等、この家を通して新しい気付きと刺激がある……と言った、ご主人の言葉が印象的でした。