2016/12/9
/ 最終更新日 : 2016年12月9日
作業員
02.古材
02.古材01.アイアン04.ロフト&SOHOスタイル02.左官02.タイル02.ブリック11.ネイチャー・デコール02.石20.『TOKYO LOFT STYLE』の家09.想うこと
家作りにおいても、ものを事前に目で見て納得して買う、、
それは、カタログだったり出来ているモノが展示されているショールーム
だったり、、それが多分世の中の一般的な家の売り方でもあり、しっかりした
モデルルームを持った、ハウスメーカーなどのやり方です。
ところが、ネイチャー・デコールの家には、図面の中の線や仕上げ表で
表現出来ないモノがとても多いのです。
実際のモノが、現物として事前に目にすることが出来ない、、
新規のお客さんにネイチャー・デコールの家の特徴を話すときのひとつに、
そんなことをよく口にしますが、それでは実際にそれってどういうモノなの?
という部分について、過去の事例から具体例をご紹介します。
図面の中で表現でないもの、光や影・空気感・など感覚的なものも含め
いくつかありますが、
その中でも、今回はネイチャー・デコールの家で最も特徴的な
「素材・マテリアル」についての話しをしていきます。
「素材」もカットサンプルや色見本で部位としての確認はして頂く事は
出来るのですが、それが空間の中に立ち上がってきて、
他の素材とどのように影響し合っていくかは、もはやイメージスケッチを
見ながら、頭の中で想像してもらう、という部分が必要になってきます。
今回の事例は、2011年完成の「TOKYO LOFT STYLE」の家。
僕の中での自信作の一邸です。
1.木の表現
![描けない.木1](https://www.nature-decor.com/blog/wp-content/uploads/2016/12/ee5160fcfe9cd680b74d9e032919c226-1024x768.jpg)
古材を使ったヘリンボーンの床
カットサンプルを並べて事前に確認してもらいますが、
古材の配置や色の濃淡、木目の感じや表面のプレーナーの処理で
表情はかなり変わってきます。
2.左官のテクスチャー
![描けない左官.1](https://www.nature-decor.com/blog/wp-content/uploads/2016/12/c7936f6cbf0c0571acda320f77e8f9b6-1024x768.jpg)
![描けない左官.2](https://www.nature-decor.com/blog/wp-content/uploads/2016/12/64f823df0d780777ee6823e61a37cf28-1024x768.jpg)
![描けない左官.3](https://www.nature-decor.com/blog/wp-content/uploads/2016/12/4bfcaefadd868feda17c802f26406a42-1024x768.jpg)
一番上は、室内の珪藻土のテクスチャー
真ん中は、外部左官のテクスチャー
一番下は、フランス漆喰アバナ
これらの素材は、A4サイズの仕上げサンプルで事前に確認頂き、
実際に現場で仕上げる時に再度立ち合いの上、テクスチャーを最終決定
していきます。
A4サイズのサンプル見本からこの左官のボリュームをイメージするのは、
やはり一般のお客さんには難しい様です。
3.石やタイルのバランス
![描けない石.1](https://www.nature-decor.com/blog/wp-content/uploads/2016/12/7699e21514b796215002d1bd87ff128e-1024x768.jpg)
![描けない石.2](https://www.nature-decor.com/blog/wp-content/uploads/2016/12/5283147d70c45ec15e1cd8f8675c13f6-1024x768.jpg)
![描けない石.3](https://www.nature-decor.com/blog/wp-content/uploads/2016/12/20d7bbe3b9666e3a3bd88491e7f25031-1024x768.jpg)
![描けない石.4](https://www.nature-decor.com/blog/wp-content/uploads/2016/12/05633ce47f209b6eb25cf08bc248574a-1024x768.jpg)
どれも、ネイチャー・デコールの家ではおなじみの石やタイル、ブリック
ここでポイントになってくるのは、素材ひとつひとつに表情があるので、
それを大きな面に施工した場合の配置や色バランスです。
同じような色やかたちを近づけ過ぎないで適度にばらしていく。
目地の巾や色、そして目地の深さなどでも仕上がりの印象が変わります。
4.スチールの表情
![描けない鉄.1](https://www.nature-decor.com/blog/wp-content/uploads/2016/12/05683f2e5bf8f493947c770c4ed85bb6-1024x768.jpg)
![描けない鉄.2](https://www.nature-decor.com/blog/wp-content/uploads/2016/12/79e545b4590aa21364a7c5fb2535a8d7-e1481249273915-768x1024.jpg)
![描けない鉄.3](https://www.nature-decor.com/blog/wp-content/uploads/2016/12/a8614f497fdc4032248843fefbfeff6e-1024x768.jpg)
鉄の素地の「黒皮」の状態をどのように自然に見せていくか。
塗装の仕上げで色付けをしない鉄本来の「黒皮」の状態はとても良いもので
自然素材の家にも馴染みます。
ただ、素地がそのまま現しになると、鉄の黒い汚れやいずれ錆びてしまう、
そこで、使う場所場所で鉄の素地感を生かした、仕上げ方を変えていきます。
特に真ん中の写真の様なキッチンカウンターの上などは、光沢の出ない
ウレタンでコーティングしていくなど、気を使う場所です。
このような場所では、ウレタンを施してもいずれ色も落ちてきたりどんどん
変化をしますが、それも楽しめる包容力も必要ですね。
一番下の写真は外部で使用した場合。正直、鉄の素地感というのもからは
かけ離れてしまいましたが、ここはやはり外部なので錆びや耐久性を優先しての
選択で、全体的にはハンマートーンの塗装を施しました。
5.個々の素材を組み合わせていくと、、、
![描けない組みあわせ.1](https://www.nature-decor.com/blog/wp-content/uploads/2016/12/0fde44fcdbbf12c03fac7d6943d9c2b0-1024x768.jpg)
![描けない組みあわせ.2](https://www.nature-decor.com/blog/wp-content/uploads/2016/12/dd90c61ef9967e2c0b757f5fd9370959-e1481249941396-768x1024.jpg)
![描けない組みあわせ.](https://www.nature-decor.com/blog/wp-content/uploads/2016/12/ff600bd38fd8b63e99597cff6da0e51d-768x1024.jpg)
それらのひとつひとつの部位を組み合わせていき、
このような空間が生まれていきます。
こうして見てもらうと、ネイチャー・デコールの家はひとつひとつの
素材の持ち味や特徴を吟味し、それを全体に組み合わせたときの
バランスを俯瞰でイメージしながら、積み上げていく。
そんな家の創り方になってきます。
確かに「家」とはとても高価なものです。
そんな高価なものなのに、モノを見て納得して決められない、、、
そこは勿論わかりますが、大切なのはモノ単体ではなく、
個の素材がオーナーの求める全体感にマッチした空間であり、
コーディネートのバランスとセンスです。
家創りのコンセプトを明確化し、
個対応でオーナーの求める独自の世界観を具現化していくためには、
カタログやモデルルームではわからないもの、見えてこないものが、
実は一番必要なのではないでしょうか。