「価値観 あたりまえだけど 人 様々。。」
「三度目の家物語」
70代のオーナーさんの家、というのもはじめての経験かもしれない。
また、誰もが知っている著名な建築家に依頼した2軒目の家に満足いかず、
本当に終の住処となる家を建てたい!
そんなスタートではじまったこの家創り、色々な高いハードルを越えながら、
ようやく竣工撮影が出来るまでに至りました。
実際、工事の終盤戦でも意見の衝突からのバトルもあり、
途中、「お前の顔は見たくない!」そんな空気にまでなってしまい、
良い家を創ろう!という同じ方向は向いているのに、
その思いがお互い強ければ強いほど、
ちょっとした気持ちのくみ取り方がずれていくと、どんどんと悪い方向に行ってしまう。。
そんな経緯のあった家なので、この家はまたいつもとひと味違う
特別な思いがある家となりました。
暮らしはじめて数ヶ月が経過しましたが、ご夫婦のとても温かい愛に溢れた暮らしぶり
を感じました。
70才のご主人と年上の奥様が二人で住まわれる家です。
二軒目の家が、作品性の高い美術館のような無機質な建築物。
この三軒目の家は、「血の通った家にしたい!」と、その作品住宅を最初に見たとき、
自分の家創りに対するテーマにしました。
そして、「以前の家とは対極の家だよ!うちのかみさんがとにかく気に入ってる」
とオーナーから温かいお言葉をいただき、
ようやく肩の荷が下りた、、正直、そんな思いでした。
写真撮影はいつものウルシーさん。
炎天下の中、ご苦労様でした〜
この家が、格好いいとかオシャレだとか、今の時代にフィットしてるか、とかよりも、
そこに住む人にどれだけフィットしているか、
また、はじめは家に負けている感じでも、
新しい家でどれだけイメージチェンジしながら、いままでやりたかった暮らしの
スタイルや自分たちの特別な時間が作れる家になるのか、
もっというと、家に居ることが自分にパワーをくれ、何より一番のパワースポットに
なれるのか、それが家創りには一番大切。
そしてデザインの好き嫌いに良い悪いも無く、皆、いままでの経験や趣味の世界の中で
実現したいデザインって様々有るけど、それをしっかりくみ取り、
その人にとってのベストなバランスに整えていくのが自分の役割だと考えています。
だから、極論言ってしまうと自分には「○○スタイル」などというのはなく、
求められればなんでもやってしまう、出来てしまう、
それは今までの自分の引き出しの数と許容量で創りあげていく、
そんな感じなんだと思います。
自分よりも人生経験の長い70代の家創り。
その価値観をバランス良くくみ取り、整えていくのに今回は時間が掛かりましたが、
結果、オーナーの求める世界観が実現出来たと思います。
最後に、色々とお気使いいただき、また忙しい時間を割いていただき、
感謝します。