「木製製作玄関ドア はじめにお話ししておくこと」

ドアデザイン

 

ドアドア

ネイチャー・デコールでは、いままで数々の玄関ドアを提案してきました。

 

その家の数だけ玄関ドアも様々で、まさにその家の顔。

 

玄関ドアにもいくつかの選択肢があって、そのあたりは設計段階でオーナーさんと

打合せしながら、それぞれのメリット・デメリットを説明し自分たちの家族に合った

玄関ドアが出来ていきます。

 

大きな選択肢としては、

1.その家に合わせてオリジナルでデザイン、製作していくパターン。

2.アンティークを見つけ、それをリペアして使っていくパターン。

3.比較的シンプルな木製ドアの既製品にカラーオーダーしていくパターン。

4.木風のアルミ製既製玄関ドアを使用するパターン。

この、4番目は非常に少ない例で、やはり最近一番多いのが3番目の既製品の木製ドアを

使用していくパターンでしょうか。

 

ネイチャー・デコールの過去の事例から、個性的で印象深い玄関ドアを想像している方に

とっては意外かも知れません。

 

勿論、室内のインテリアドアに関しては、自由なデザイン、自由な素材で製作提案

しておりますが、ここはやはり外部に面した玄関ドア。

オリジナルで製作を決める前に、いろいろな注意点と覚悟も必要になってきます。

 

そんなわけで、今回はオリジナルデザインで製作された木製玄関ドアについての

私どもの過去の失敗も踏まえて、その留意点を少しお話しさせていただきます。

 

一般的には日本のどの家を見ても、そのほとんどがどこそこメーカーの

既製アルミ玄関ドアが使われています。

やはり、日本の気候風土にあった材料で気密性、断熱性、そして日々使うものなので

その開閉性のスムースさや、表面も劣化しにくいメンテナンス性、

更には、セキュリティ性を考慮した鍵 等々、そういったポイントを総合的に

試験〜計画されたのが既製アルミ玄関ドアなので、それだけで何も文句なく採用

していくのが、世の中ごく一般的なことなんでしょう。

 

ただし、デザインのされたネイチャー・デコールの家において、

その既製アルミ玄関ドアが付いたシーンをイメージしてください。

、、、相当の妥協の上でないと、これは成り立たないことは一目瞭然にお解りと思います。

なので、うちで既製アルミ玄関ドア選択するオーナーさんは、1割にも満たないでしょう。

 

なぜ、世の中にはオリジナルデザインで製作された木製玄関ドアが少ないのか?

 

簡単に言ってしまうと、そこには相当なリスクが伴うからです。

 

ただ、リスクがあるからといって、すぐにそれを止めるでは、

ネイチャー・デコールスピリットに反してしまうし、住宅建材にしてもパーツにしても

使い勝手や安全性を最優先してしまえば、

デザインされた家なんてそもそも出来上がりません!

 

それではそのリスクをどう、ヘッジしていくかについて話しを進めていきます。

 

まず一番大事なのは、オーナーさんに起こりうる色々な事や過去の事例でのことを

十分説明し、単に格好いい!とかオシャレ!だけではないことを伝えていく。

それを理解頂いた上で、一緒に作っていくことの同意をいただく。

 

そこで、具体的にデザイン〜製作の中でどうリスクヘッジしていくか。

 

1.乾燥度合いの高い木を選定していく。

2.くるいの少ない堅木を選定していく。

3.木の風合いは生かしつつも、無垢は使わず、積層したり下地に金物を使ったりしていく。

4.後々の木の伸び縮みの調整が可能な枠納まりにしておく。

5.デザインも大切だが、框や木の組み方を考慮したデザインにする。

6.極力雨をしのげるように庇をのばしていく。

7.ポーチなどを作り、直射日光が直に当たらないような環境設計にしていく。

大きなポイントとしては、以上を更に細かく考慮しながらデザイン〜製作しています。

 

このようなプロセスを踏んで製作したものであっても、完全とは言えません。

 

その時期の雨が多い、少ない、湿気が多い、少ないによって木も変化します。

毎年同じ時期に木が膨張して開きにくくなったり、また乾燥してドアに隙間が生じたり、

そういう規則的なことでもありません。

また逆に、さほど不具合なく普通につかえてみたり、、

使う人によってもストレスの受け方も、これまた様々です。

 

その様な理由から、正直 なかなか想定できないことが多々あるのが、

オリジナルデザインで製作された木製玄関ドアなんです。

 

なので、カッコだけじゃない!デザインだけじゃない!ということを事前に

話した上で採用いただくようにしています。

 

 

そういうことがあっても、その家だけのオリジナルデザインで製作された木製玄関ドアは

インパクトのある家の顔となってきます。

お仕着せる訳ではありませんが、ここは多少手間と維持費用が掛かっても、

愛着もってケアしながら、長いお付き合いをしていただきたい。

 

これが僕の思いでもあります。

 

僕の家もようやく16年が経過しましたが、

やはり気まぐれな玄関ドアは時々やせたり太ったりを繰り返してくれます。(笑)

なんか、人間のようですね〜