「経年劣化した室内珪藻土のメンテナンスについて」
皆さん こんにちは
ネイチャー・デコールの大浦比呂志です。
我が家も建築して今年で丁度18年目に入ります。
家も10年を過ぎると、屋根・外壁・露出してる防水・設備回りなど諸々と
メンテナンスチェックすることで、その後の家の寿命にも大きく関わってきますので、
是非10年あたりをひとつの目安として、気にして見てあげることをオススメします。
そう言いながらも僕自身は給湯器が寿命がきたから、、
木製窓の外側が劣化してきたから、、と
かなり行き当たりばったりで、あまり皆さんの手本とならない様な
家とのつきあい方をしてしまっています、、汗。
そこでひとつくらいは、なにか先駆けてお知らせ出来るメンテナンス情報は無いかと
考え、室内の珪藻土(左官壁)のメンテナンスをテストケースとしてやってみました。
自然素材をベースとしたネイチャー・デコールの家では、
経年劣化を経年美化として、その汚れ自体も今までの生活の足跡であり味わいとして、
時間と共に変化していくものを素材として楽しんでしまおう、
そんな事をいつもオーナーさんには言っているのですが、
汚れてきた室内の左官は外壁のように塗り替えられるの? などと、たまに質問
される事があります。
確かに外壁のメンテナンスと違って、生活している室内ではモノも多く、
片付けながら、養生をこまめにして、、と考えただけでも大変そうです。
それと、我が家も「珪藻土」で仕上げていますが、その珪藻土本来の素材の効果、
調湿性・脱臭&消臭・独特のテクスチャ等を損なうことなく、
メンテナンス出来るのか? そうただ綺麗にしただけではダメなんですね。
18年も経過すると、このように確かに汚れが気になります。
大型犬を飼ってる我が家では、犬は壁に身体をすりつけて歩く習性があるので、
その部分だけ特に黒く汚れています。
あと、ちょうど手をかけてしまう位置にある腰壁などの汚れも目立ちます。
室内左官のメンテナンスにはいくつか方法があります。
大げさにしないで、とにかく汚れだけを綺麗にしたい。
そんな場合は、左官の上から無機系の塗料をローラーで仕上げるという方法。
価格的にも一番安価であるのと、住みながらのメンテナンスとしては左官で
仕上げるよりも散らからず、日数も短く出来ることはメリットです。
また、塗料も色々ありますが、極力左官の風合いを残していくためには
光沢などが出ない無機系の塗料で仕上げる事が良いでしょう。
我が家では、同じメーカーの珪藻土でメンテナンスしました。
犬を飼っているので、脱臭&消臭という珪藻土の効果はどうしてもキープして
おきたかったのがその一番の理由です。
塗料で仕上げてしまうと、本来呼吸する壁、と言われている珪藻土に
塗膜が掛かってしまい息が出来なくなり、
結果 珪藻土の効果が損なわれてしまう様です。
ただ、室内全体を、、となると相当散らかってしまうので、
比較的綺麗な天井は手を付けずそのままにし、
特に汚れのひどい部分の壁や欠けてしまったコーナーの補修、
そして場所によっては、珪藻土の顔料を薄めて塗料のようにシャブシャブにした
材料でトップコートだけを施したりと、
必要最低限の手間で綺麗にしていく、という選択をしました。
それにより、新築時のようなピカピカの感じでは無く、
建物全体の時の流れとマッチさせながら、経年美化を残し程よい加減で
手を加える事が出来たのではないかと思います。
メンテナンスの仕方もその家のデザインやスタイルによって変わってきます。
勿論 構造に関わる部分や設備の劣化に対しての対応は同じであっても、
こと意匠に関わる部分は、新築時のようにピカピカにしてしまっては、
ミスマッチなのがネイチャー・デコールの家ではないでしょうか。
大浦比呂志(ネイチャー・デコール主宰)