「エンディングを想定して、、」
みなさん こんにちは
ネイチャー・デコールの大浦比呂志です。
緊急事態宣言の要請延期も決まり、まだまだSTAYHOMEの日々が続きますが、みなさんいかがお過ごしですか?
前回のブログでも「Withコロナ時代の家創り」と題して、いま見渡せる範囲で、これからの家創りのポイントを整理させていただきましたが、益々家にいる時間を如何に快適に自分流に過ごせるかの知恵と工夫が必要になってきてると感じる今日このごろであります。
そんな中、先日お引渡し前の設計検査がありました。
埼玉県の桶川市で進めてきたこのお宅。床面積20坪の小さな平屋のお家です。
もともと大きな敷地でご両親と同居されていた娘さんが、独立した自分だけの空間を離れとして建てたい。そんな流れで始まった家です。いつもの通り家創りを始める前に、「家創りカルテ」やたくさんのご要望をファイルにしていただきました。その中で印象的だったことの一つに、家のデザインや物理的な使い勝手などと一緒に、「人生のイメージ」から「エンディング」までの生涯を通して新しい家との付き合い方(向き合い方)を自分なりのイメージで書かれていた点です。
「寝室は庭のお花が見える位置にし、窓からお花を見ながら、今年も桜がきれいね、ああ幸せとなんでも無いいつもの日常の中で静かにエンディングを迎えたい、、、」そんな一節が記されていました。
窓の配置やその先に見える景色からエンディングまでの生活シーンをイメージしていく、なんかこのご要望のファイルを見た時に、とても感慨深いものを感じました。
3月、アトリエの窓からは満開の白木蓮が見れ、4月、寝室の窓からは桜の木が見れるような設計にしました。多分この景色はこれからも変わらず、毎年毎年生活の一部となって暮らしの中の一コマに刻まれていくのでしょう。
家がひとに与える力、窓の外の景色ひとつからでも、どんな小さなところからでも可能です。
その人にとって大切なもの、大切なことを実現させていくことこそが、家は人を充電させる装置でありパワースポットとなる所以なんだと思います。
デザインも住宅性能スペックももちろん大切ですが、暮らしの中で腑に落ちる本質的な部分に気付き、そこを家創りに反映させていくことがなによりも大切ではないでしょうか。
大浦比呂志(ネイチャー・デコール主宰)