「もはや昭和なのかね〜、、」
みなさん こんにちは
ネイチャー・デコールの大浦比呂志です。
事務所の書棚の一角です。
この中には、もう何年も並んでいる洋書やスタイルブックもあります。
引っ越しのたびに、毎回かなりの本を処分してきましたが、まだまだ壁面いっぱいに色んなジャンルの
雑誌やハードカバーのものが並んでいます。
思えば、昔は海外旅行に行くたびにその土地の書店をめぐり、日本では手に入らないような、
デザイン本や建築本、画集や写真集など何時間も掛けては物色し、石のように重くなるハードカバーの本を
何冊もスーツケースに入れて買ってきたものです。日本にいても珍しい洋書を取り扱ってる書店があると聞けば、
両手に抱えきれないほどの本を購入し持ち帰ってきたものです。
子供の頃に、お金をためて都内の輸入レコード屋に入り浸り、いち早く最新のレコードを購入したのを
思い出します。輸入盤でもアメリカ版よりイギリス版のほうが音が良いよ〜なんて情報を聞きつけては、
わざわざ同じレコードなのにイギリス版を売っているレコード屋に行って手に入れて満足してみたり。
当時は、原宿だと「メロディハウス」、中野の駅前にあった「ootuka」、そしてバーゲン時期は
「ディスクロード」や「ディスクユニオン」などで、輸入盤のまとめ買い。そんな感じでしたね 笑
「タワーレコード」などまだ東京になかった、もっと前の時代の話です。
ハードカバーの洋書を一冊通してみる、レコードを一枚とおして聴く、
そこには、開封したときの紙の匂いや、印刷の匂い、紙の質感や光沢具合、
針を落としたときのあの独特なノイズ、そういった感覚的なことも全て含めて、その本やレコードを
印象付けるものでした。なぜか匂いで覚えているレコードとそのアーティストさえいます。
そもそも自分にとって、五感で感じ取るとはまさにこんなことから始まっていたんでしょうね。
いまはどうでしょう〜
なんでも、とても便利ですよね。
キーワード入れて画像検索すると、そこには欲しい画像がズラッと並んでみたり、
サブスクでどんな時代の音楽も、アーティストもすぐに探せてしまう。。
便利なんですけどね、、 でもなんか軽いんですよね、そういう情報は。
だからどんどん、新しいものが生まれ、生まれればすぐに消えていく、、
海外で出会った一冊の洋書を擦り切れるまで眺め、それらはいまでもこの書棚にあります。
もう本当に古い時代の古い切り取り方の本かもしれません。
でも自分にとっては、その本との出会い、本屋で並んでいたときの景色やその町並み、石の様に重い本を
日本に持ち帰り、荷物をほどいたときの自分だけの特別感、そしてページをめくったときの匂い、
すべてが今でも脳裏に焼き付いていて、それをヒントにしたりモチーフにしたデザインの提案は、
一枚のピンタレストの画像よりも、計り知れないほど重いもの!
そんな風に考えてしまうのは、もはや昭和なのかね〜 ^^;
大浦比呂志(ネイチャー・デコール主宰)
ネイチャー・デコール www.nature-decor.com