ロフトスタイルの家・2019
デザインのテーマは「ロフトスタイルの家.2019」
初回提案のスケッチが、空間も素材もパーツも全てそのままのかたちで具現化し、初回のプレゼンテーションから引渡まで実にスムーズにクリエイティビティを高めながら設計者もオーナーも満足のいく結果となりました。
この家のテーマに沿って、無機質な質感やアイアンなどの素材感でインダストリアルな表現で構成されながらも温かい印象に仕上がっていくのがネイチャー・デコール流。
また、新たな試みとしては「ボブ・マーリー」の名言をパネルにするなどオリジナルのホームグラフィックスも取り入れ、家全体に、特別なオリジナル感が生まれています。
将来自分が家を建てるとしたら、どんな家を建てたい?
年齢を重ねて、家族が出来て、子供が生まれて、そんな生活の中で、自分が建てる「家」という事に対して、常に頭の片隅にあったような気がする。
そんな中、なんとなく具体的に家を建てる事に対して行動してみようと思い、インターネットでの検索を始めた。
建売やマンション、大手住宅メーカーでの購入は全く考えていなかった私は、自分の理想の家を建てるにあたりまずやらなければならない事は、自分が心から「イイ!」と思える家をデザイン出来る設計士を見つける事だと考えた。
だから、まずそこから始めた。
ネイチャー・デコールのHPを見つけ施工例を見た時、「見つけた・・・」と声に出してしまった事を今でもハッキリ覚えている。
家を建てる時は、ネイチャー・デコールの大浦さんという人に建ててもらう事にしよう。
自分の中で、それは瞬時に決まり事となって、それ以来、ネイチャー・デコール以外のHPを一切見なくなった。
大浦さんと初めて会う約束をして待ち合わせの店に行ったら、大浦さんの隣にHPには一切出てこない知らないおじさんがいた。
誰?と思ったら名刺を渡され、設計以外の営業などを行っている長谷川ですと挨拶をしてくれた。
ニコニコして、男のクセに少し愛らしく、なんだか憎めない人だな。そう感じさせる人だった。
のちに、この人なしではネイチャー・デコールを語れなく事を知る。
ヒヤリングが始まった。
色々と聞かれたが、正直私はあまり聞いていなかったかもしれない笑(すみません・・・)
家でどんな事をしたいとか、家に居る時に大切にしている事とかは、どんな家に住んでも同じ事だと思ったからだ。
私がヒヤリング時に考えていたことは、私がどんな空間を好んでいるかを大浦さんに明確に理解してもらう事。それ以外は何も考えていなかったような気がする笑
(ほんとにすみません・・・)
互いの役割は極めて明確だった。
① 私が具体的なイメージやマテリアル、予算を伝える。
② 大浦さんが、私の要望の中で目一杯遊ぶ。
③ 長谷川さんは、大浦さんが遊びすぎないよう監視する。
ただこれだけ。笑
何週間かして、大浦さんが画を描いた。
初めてそれを見た時、正直良いとも悪いとも思わなかった。
もっと感動するかと思ったりもしたけど、実際は「へー」くらいだったような気がする。
ただ、予算はオーバーしていた。(大浦さんは長谷川さんに叱られていたけど笑)
予算をオーバーしたからには、何かを削るしかない。
画を見た時、すこぶる感動したわけでも、心が躍ったわけでもないから、何かを削って予算に合わせる事など難しくはないだろうと思い、「一度持ち帰って考えます」と伝えた。
それから毎日考えた。
何を削ろうか。何が不必要か。
どこに行ってもその画を持ち歩き、削ってもよい部分、不必要な部分を探す。
結果、何も削れなかった。
ここに描いてある全てが、私の好きなモノで、好きな空間だった。
初めて画を見たときは気づかなかったけど、私はこの空間を心の底から気に入っている。
何も削りたくはない。
自分がそう思っている事を思い知らされた。
大浦さんは、私の要望に100%以上に応えてくれていた。
予算は少しオーバーしたが、この人が描いてくれた画の中に住んでみたい。
後悔はしたくない。本当にそう思った。
実際に着工がスタートし、サイト―技建という素晴らしい職人集団が画に描いてある以上の仕事を遂行し、家が完成した。
引き渡しの日、そこには、自分が心の底から「イイ!」と思える家があった。
この家に住んで、約4カ月。
仕事から帰ると、まるで要塞のような でもどこか温かみのある家が私を出迎えてくれる。
ブリックがスポットライトに照らされて、その奥にダーク感漂う鉄の扉が門扉越しに窺える。
鉄の扉を開けると、そこはまるで別世界だ。
インダストリアルな印象を与えつつ、どこか柔らかい気持ちにさせてくれるエントランス。
それを彩る様々なグラフィックアート。
2階へ上がると、アイアン・古材・ブリックで構成された美しく また 繊細に考えられたそれぞれの空間を、大きなアンティークライト達がまるで芸術のように浮かび上がらす。
深夜になっても、まだここに居たいと毎晩思う。
休日は、ウッドデッキで娘と汗だくになって遊び、そのまま高級ホテルのようなバスルームでシャワーを浴びる。
夕暮れ、美しい妻がカウンター越しに鼻歌交じりに料理を作る姿があり、それを眺めながらアルコールを嗜む。
夜、古材で出来た大きなダイニングテーブルを家族で囲み、皆で他愛もない会話をしながらディナーをする。
家を訪ねてくれる客人は、皆目を丸くし、称賛を口にしてくれる。
きっと、こういう事を「贅沢」というのだろう。
例えば、
将来自分が家を建てるとしたら、どんな家を建てたい?
そんな事を考えていたあの頃の自分に言ってあげたい。
ネイチャー・デコールとそれを取り巻く素晴らしいチームに出会えた事、
本当におめでとうと。
断言出来る。
この家は、私達家族の人生を、より豊かにしてくれる。
あなた達が造った家は、そういう家です。