「念願の子供パン教室」
09.NDのオーナーさん12.ショップデザイン20.『ベーカリーズキッチン・オハナ』
以前、デザイン監修させていただいた、
ネイチャー・デコール主宰 建築デザイナー大浦比呂志のこだわりの世界観を、建築、インテリアの事例やライフスタイルにスポットをあてながら紹介して参ります。
09.NDのオーナーさん12.ショップデザイン20.『ベーカリーズキッチン・オハナ』
以前、デザイン監修させていただいた、
02.古材06.家創りのヒント12.ショップデザイン09.想うこと
私の空間デザインのスタートは様々なショップデザインからはじまりました。
若干27歳の頃にデザインしたCLUB
こんな店で遊びたい! こんな店に彼女を連れて行きたい!
そんな思いのまま、その時期一番自分が行きたい店をデザインしたのがこのCLUB。
今、見てもその頃の熱いパワーが伝わってきそうなこのお店。
我ながらイケてるぜ! …と自画自賛からはじまりました。
なんと今から27年前の古ーい話ですね。
バブルの時代感も満載です。
このお店は、当時雑誌POPEYE 年間クラブオブイヤーの第三位に選ばれた
人気のCLUBでした。
お店のコンセプトは、「女の子を口説けるお店」
今思うとなんかバカバカしいが、当時の必死さも伝わってきます。(笑)
そのお店の写真を振り返り、今の住宅デザインにもつながるエッセンスを
解説していきます。
雑居ビルの地下2階にあったこのお店。
エレベーターを下りるとあえて天井を低めに設定したレンガのアプローチ。
上からの照明を抑えて、床からのアッパーライトで浮かび上がらせ、
不安な暗く長いアプローチを歩くと、スチールの重いドアがあります。
そこがこのお店の入口。
期待感と不安感を演出したこのアプローチ、
彼女の手を引いて入っていくわけです。
そしてこの重いドアを開けると、いきなり下から強烈な光にあおられ、
一瞬その光の強さに驚いてしまう…という仕掛けを用意しました。
もうすでに、ワクワク感満載ですね。
お店に入るとこんな全景です。
使われなくなった廃墟の様な古い倉庫を、改装して出来上がったイメージ。
壁にはその時代の古いレンガ、そして何故か朽ち果てたギリシャ様式の柱、
壊れた壁のレンガからは中世のフレスコ画が…
天井からはゴージャスで巨大なシャンデリアが2灯。
当時、こんなシャンデリア見つけるのが大変だった~
スチール黒皮サンダー仕上げの長いアールのBARカウンター
床はモルタル仕上げ
古いモノと新しいモノを融合させながら、オリジナルの製作品を加えていくのは
この頃からの自分のデザイン手法のひとつでした。
このスケルトン天井からの布使いがなんか時代っぽくて古い感じがしますが。。(汗)
このカウンターでは当時、色々なドラマが展開されたな!
錆び鉄板にお店のロゴをくり抜き、そこにテクスチャーが浮かび上がるように
狭角のスポットライトのラインを付けてます。
ブルーのグラスケースの光がまた色っぽい。
この壁も、なかなか廃墟感でてないですか?
もともとあった壁を壊したら、そこからなんと中世のフレスコ画が…なんて
いったい当時はなにを考えていたんでしょう。(笑)
このお店のコンセプト「女の子を口説けるお店」というように
インテリアデザインにからめて色々な仕掛けを落とし込みました。
また、オペーレーションの形態も提案しました。
具体的には、
1.歩く人と目線が会うように入口付近の席は全てハイテーブル&ハイチェアー
客席にも段差を付けて歩く人とテーブルの人とが目を合わせられるようにすること。
2.コップをもってどこの席にも移動出来る様に、テーブル会計ではなく
キャッシュオンデリバリーであること。
声を掛けやすいシチュエーションをつくりました。
3.あえて照度を変えて、親密に話せる暗闇と明るいところをつくり、
話の展開で場所を移動出来る。
4.入口付近にVIP席のような重厚なソファセットを置いて、そこにはいつも優先的に
綺麗な女性を…. 男性客はそれを目当てにまた来てしまいたくなります。
VIP席は奥でコソコソと、という当時のディスコのお決まりを壊しました。
5.DJブースを設け、彼女の好きな曲をいつでもリクエスト出来る、
当時はレコード盤に針を落としてました。
等々、様々な仕掛けと仕込みを、デザインにマッチングさせていきました。
多分、こんなアプローチから住宅をデザインしていく…なんて
自分くらいなものなんだろうな~ 異端といえば異端です。(笑)
ワクワクとした期待感、サプライズ、ストーリー性のある空間、
段差によるエリア分け、明るいところと暗いところ、
古いモノと新しいモノ、オリジナルな創作品、
これらは、今も住空間デザインに生きている共通したエッセンスです。
そして、「感じるデザイン!」 Dont think FEEL!
これは、かたちから創り上げるものではなく、人の内面の心理的なものから
創り上げるデザインということで、今に繋がるコンセプトになっているようです。
04.サンタフェスタイル12.ショップデザイン09.想うこと
サンタフェスタイルやメキシカンスタイルは自分のデザインのルーツでもあり、
デザインそのまま、経年変化が味わいを増し、より風格が出てきております。
01.アイアン04.サンタフェスタイル00.現場05.外観05.ガーデン&外構11.ネイチャー・デコール09.NDのオーナーさん01.サイン・看板・ロゴデザイン12.ショップデザイン20.『お菓子屋 ビスキュイ』
三回目のリニューアルで引き続きショップデザインを手掛けさせて頂いていた、
柴又の「お菓子や ビスキュイ」さんが昨日リニューアルオープン しました!
丁度10年前にケーキ店の新築を行い、その3年後 イートインコーナーを併設した
カフェを増築し、そして今回はバームクーヘン工房の新設とケーキ店の増築を
行いました。
これは、ケーキ店のファサードです。
モダンサンタフェをテーマにファサードはデザインしています。
このビスキュイさんでは、
建築デザインからサイン計画、そしてガーデンデザインとトータルにデザイン提案
させて頂いてます。
そして、2014年10月11日 リニューアルオープン当日。
まだ、お店がオープンする9時前から、新柴又の駅を降りるやいなや
この行列、、
前回のオープン時も1000人の人が並んだという伝説が、
また塗り替えられるか、今回の最高時にはなんと、4時間待ちにもなったようです!
ディズニーランドのアトラクションでもそんなに並ばないですよね!
普段の土日でも、ポーターさんを付けてお店に誘導するとのことですが、
そのお客様の愛されてる一番の秘訣は、なんといっても老若男女を問わない、
広いターゲットに向けて、誰でも美味しい!と言える、そんな昔ながらの
素朴な味をベースにしながら、日進月歩 常に新しい驚きをトッピングしているところに
あるようです。
ビスキュイさんは、数あるオシャレなケーキ屋さんの中でも、
いつも東京の売れてるお店ベスト10に入っている、
そんな人気のケーキ屋さんです。
新しくなったショップの全景と、ガーデンを含めた外観のデザインを
少し紹介します。
ショップを彩どるガーデン計画はやはりかかすことは出来ませんね。
ガーデンは、いつものガーデン&ファニチャーズさんが
軽井沢から駆けつけ施工して頂きました。
そしてオリジナリティのある、サインとグラフィックデザインを加えて
ようやくお店らしい構えが出来上がってきます。
ビスキュイさんのケーキをモチーフに 、ロートアイアンで作った
正面の大きなアイアンサインが特に美味しく表現出来ました。
また、天井に描いた「バームクーヘン物語」も、
可愛らしく、プスッ!と笑えるものになりました。
この爆発的な発進力と話題性は、住宅デザインとは
またひと味違ったショップデザインの醍醐味です。
ネイチャー・デコールの掲げてるコンセプトのひとつに、
「お店のような家 家のようなお店」…というのがあります。
お店において、家に居るときの寛ぎ感や居心地の良さというのは欠かせない付加価値に繋がります。
また家においては、お店のような非日常性やホスピタリティというのが、
生活感の伴う家の中での、大切なスパイスにもなります。
それは、単に表層の色や素材の目先を変える事ではなく、
人の心理をも左右する内面的なものをデザインしていくことだと考えます。
ネイチャー・デコールの他とは視点の違う、
住宅デザインのベースというのは、こんなところから生まれています。
02.左官00.現場12.ショップデザイン20.『街で人気のパン屋さん』
今回は、とても珍しい素材、「モロッコ漆喰 タデラクト」で仕上げたカウンターを紹介します。
このモロッコ漆喰、日本でもこれを施工出来る職人さんが数名しかいない、という特殊なものです。
カウンターの全景はこんな感じです。
天板に厚みを75㎜もたせて、素材の存在感を表現してます。
石では表現出来ない、なんとも温かな良い表情で、ネイチャー・デコールらしいマテリアルです。
モロッコ漆喰は、もともとはモロッコのマラケシュ地方の伝統的な左官工法で、
表面が硬化して耐水性にも優れた材料です。
漆喰なのに、水回りにも使える!というのも魅力的ですね。
ヨーロッパの方では、流しやお風呂の浴槽などでも使っているようです。
原材料は、「マラケシュ石灰」で鏝ではなく、石を使ってこりこり磨いていきます。
そこで、色ムラと凹凸が味わいとなる、独特な仕上げです。
仕上がりをみると、全体的に硬化して表面はグラスや食器など固いモノを置いても
全く問題無さそうですが、コーナーはデリケートに扱わないとならなそうです。
また、微妙なヘアークラックが出てくるところもあり、簡単に自分で補修もできるのですが、
いわゆる、人工大理石や自然石の強度までは見込めなそうでした。
スカッ!とした精度を求める方には、少し神経を使いますが、
味わいとしての素材感を大切にしたい人にはとても貴重でオススメの良い材料です。