06.コスト

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「土地を決めるところからはじまりです」

06.家創りのヒント06.コスト06.土地について

 

皆さん こんにちは

ネイチャー・デコールの大浦比呂志です。

 

今回は土地探しについてお話しさせていただきます。

よくはじめてのお客さんは、設計を依頼するときに土地を決めてから相談に来た方が良いのか

まだ土地が決まってないけど、まずはその段階から相談に来ても良いのか、

そんな事を聞かれることがあります。

そういう場合は、「一緒に土地を決めていきましょう」そんな事を言ってます。

その理由は、

1. 不動産さんが言う良い土地や一般的に言われる良い土地と、設計者目線での良い土地

とは相違があるという事。

はじめに、どんな広さでどんな家にしたいのかを簡単にでも聞いておくことで、

それが実現出来る出来ないも含めてプロの目線で土地を見れるという点、そして

お客さんのライフスタイルに合ってる環境かどうか、先の完成形をイメージしながら

その土地の善し悪しを判断できる点。

そう考えると、不動産さん的には悪い土地でも、実はそれを設計の特徴として生かせる

良い土地、なんてのも有ったりします。

 

2. 家創りは「土地」も「家」も全体の予算バランスで考える。

よく、「もう土地は契約してしまって、銀行の住宅ローンで借りれるのは

あとこのくらいだからその範囲で家の方を考えて欲しい」。。

そうなると、なかなか実現したいものも出来なくなってしまう。

自分たちの実現したいものをあらかじめ整理しておくことで、土地と家に掛ける

予算の配分をした上で、土地を探していくことはとても大切なポイントです。

 

この様な点で、土地の段階からご相談いただき、一緒に土地を探していくことを

おすすめしています。

 

今日も、お客さんと一緒に候補となる土地を二カ所回ってきました。

この土地だと、こんな事が出来そうだ〜

建物があることで解体費用がそんなに掛かるなら、その建物を生かして思いっきり

リノベーションするのも一つの手か。

目の前が公園なら、この景色は変わらないから、リビングに繋がる庭をそちらに向けて

公園を借景に計画してみてはどうか?

その土地にたつと今までの経験の中で色々なアイデアも沸いてきます。

物理的な建築条件はもとより、工事的な諸問題が関わってきそうな場合は、

工事業者への立ち合いもお願いしながら、色々な目でその土地を見ていく、

そんなケースもあります。

 

先日も、土地を決める段階からお声かけいただき、その土地を決断されたお客さんが居ます。

その時の大きなポイントは

1. 総額予算から考えた土地に掛けれる金額の範囲で探していく

2. 希望の建坪が可能な土地の広さ

3. 駅近にはこだわらないので、1.2をクリアしながら眺望や抜け感が欲しい

そんな内容でした。

 

自分たちも実際土地を見てのチェックポイントとしては、

 

○ 全面道路との関係はどうか?

土地.1

 

 

 

○ 検討の土地に盛り土されているがそれによる地盤改良等に掛かる費用は?

土地.2

 

 

○ 土地の一部に高低差のある擁壁があるが、これに対する規制や計画に対しての影響は?

土地.3

 

 

○ 盛り土による隣地との境界の境はどうする? そこに掛かる費用は?

土地.4

 

実際、その土地の販売価格以外でどんな費用が初期投資で必要なのか?

そこを掴んでいくことも大切なポイントになってきます。

 

大きな買い物だけに、失敗しない土地選び、

当たり前のことですが、土地をきめるところからはじまりです。

そんな訳で、まずは土地を探すところから是非、お声かけ下さい!

 

 

大浦比呂志(ネイチャー・デコール主宰)

 

 

「中間見積もりの重要性」

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工事見積書、、お客さんの希望通りの良いデザインであってもそれが、お客さんの予算に即したものでなければ、折角の提案も「絵に描いた餅」となってしまいます。

設計を進めていく上でこの予算管理という部分はとても大切です。

 

ネイチャー・デコールでは、お客さんへのはじめてのプレゼンテーション時から、

そのプランがいったいいくらなら出来るのか?必ずプレゼンテーションツールの中のひとつとして概算見積りをご提示するようにしています。

勿論、まだプレゼン時ですので、図面の詳細が有るわけでもないし、細かなスペックも決まっているわけでもありません。

それでも、平面プランや外観、内観のスケッチに思いつく範囲での仕様や設備機器、その他標準的スペックを想定しながら、工事会社にプランを説明し見積書をあげてもらっています。

 

その概算見積もりがあがってきて、もし金額がお客さんの予算よりも跳ね上がってきた場合は、初期プランからの減額提案プランも用意し、提案者側から考えて、この部分やあの部分の内容を変更することでコンセプトを大きく変えることなく、お客さんの予算に合わせていくことが出来る。

そんなものも用意して概算見積り計画書を作っていくようにしています。

 

プレゼンテーションが終わると、いよいよ基本設計に入っていきます。

基本設計は約2ヶ月間かけて、その家の骨格となる基本的な要素を固めていく作業です。具体的には、平面図・展開図・立面図・天井伏せ図・仕様書等の図面を基本設計と呼んでいます。

その基本設計図が終わった段階で、「中間見積書」を提出しています。

 

ここが、とても重要になってきます!

 

概算見積もり時よりも、より具体的な設計内容が見えてきて、それにより当然のことながら金額の増減が出てきます。一般的には「減」というより「増」になっていくことが多く、この段階で見積もりを出していく事で、

金額を見ながら内容を軌道修正していくことが出来る訳です。

この作業が、実施設計までのすべての図面が出てからでは、場合によっては金額がかなり予算からかけ離れてしまい、大きな設計変更も出てきて、折角何ヶ月もの間、積み上げてきたものを見直して行かなければならない状況になってしまう、そんな事が多いのです。。

 

設計をしながら、設計の進捗に合わせての見積書の提出の重要性。

 

確かに、なんどもなんども見積書を出していくことは大変ですが、

より予算に合わせた確度の高い設計をしていくうえでは、この作業がとても大切で、ネイチャー・デコールでは「コストプラニング」と呼んでおりますが、これも設計作業の一貫として、重きをおいていることです。

 

素晴らしい設計も「絵に描いた餅」で終わってしまわないように、

いつもコスト管理は切り離せません!

 

概算について

 

 

 

 

「坪単価って…言うけれど」

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この仕事をしていると、必ずはじめの頃に聞かれるのが

「坪単価はだいたいどんな感じですか?」…といったニュアンスの話。

 

もちろん、予算に制限の無い仕事なんて無いわけだから、先の計画をしていく目安として、

希望の大きさ(坪数)に基本となる坪単価を掛けて、総額の予算感を掴む。

これはよくわかります、

ただ総額を掴むときに坪単価から考えていって良いものかどうか?

 

よく初期段階で説明させて頂くのですが、「坪単価」の基準が各会社によって様々で、

一定の基準で話していかないと本当にそれが安いのか高いのか、

なかなかはじめて家を建てる人には分かりにくいものです。

特にモデルプランやスペックがある程度決まっているハウスメーカーの家と比べて、

注文住宅のようにすべてオーダーメード出来る家となると、

それこそ、住宅性能、住宅設備、仕上げ材、ディテール、デザイン、

家に関わるすべてのものを自由自在に自分の好みで組み合わせていくことが出来ますので、

それを坪単価に置き換えていくと、とてつもないモノになってしまいます。

 

そこでネイチャー・デコールでは、オーナーさんから

大切な予算の話をたずねられた場合、こう聞き返しています。

「今回の計画にどれだけの予算をお考えですか?」

私たち設計者の大切な仕事のひとつに、「コストプラニング」というものがあります。

いくら、オーナーをうならせるような素晴らしいプランの提案が出来たとしても、

それが、オーナーの予算を遙かに超えてしまい「絵に描いた餅」になってしまっては、

これは全く意味の無いものです。

オーナーから、あらかじめギリギリまでご用意出来る予算をしっかり確認して、

その予算の中で、オーナーの求めるものを最大限に引き出し、ポテンシャルの高いデザインを生み出していく事が

デザイナーとしての大切な役割だと私は考えています。

時に、施工会社を交えての折衝も私たちの仕事のひとつです。

 

ネイチャー・デコールが提案する住まいは、箱としての側(建築)だけでなく、

そこにインテリアコーディネート、ガーデンデザイン、に至るまで一貫したコンセプトで

はじめてのプレゼンテーションの時に全てを広げてお見せするようにしています。

建築は建築家、インテリアはインテリアコーディネーター、ガーデンはガーデナーという

分業制での仕事では、オーナーが本当に求める統一した「世界観」が表現出来ません。

細かなヒヤリングやオーナーがうまく表現出来ないニュアンスも踏まえて、

総合的にまとめあげていくのがとても大切です。

 

そこで坪単価?ということで言ってしまうと、ネイチャー・デコールの場合は、

その中に造り付けの家具や演出照明、インテリア、ガーデン、等

空間を構成するものすべてが入ってしまうため、

「坪単価◯◯円で出来る家!」と比べると、とても高いモノに写ってしまいます。

一般的には、「別途」とか「後工事」となるものもすべて計画の一環として

それらの予算も合わせてトータルで考えていく。

オーナーさんがネイチャー・デコールにデザインをオーダーして頂く時に重要なこと、
それは、

1.家創りに掛けれる予算を駆け引き無く、明確に伝えていく。

*これは出来るだけ細かい方が良いでしょう、決して無駄使いすることなく

与えられた予算を生かし切っていきます。

…とは言っても、はじめての大きな買い物。
どれだけの予算を掛ければなにが出来るのか? 正直なかなかわからないですよね。
そんな時は、まずは全体的なご要望をお伺いした上で、過去の事例をもとに掛かりそうな予算を巾をもってお話します。
2.何に重きをおいていくか、プライオリティを明確にする。

*なかなか自分ではプライオリティの整理が付かない場合もありますので、

ここは細かなヒヤリングの中でこちら側がつかみ取っていきます。

3.一から創り上げていく注文住宅では、ひとつオーダーが増えれば金額も変わっていくもの、

設計期間中も常に予算管理をしながら設計を進めて参りますが、最終予算を踏まえた判断は
オーナーさん自身となります。
*そこは、私たちがしっかりリードしながら進めて参ります。 

「坪単価」という建築業界の一般的概念から視点を変えた予算の立て方。

このような点を意識しながら進めていく家創りは、予算の大小に関わらず

必ずやどこにもない「自分仕様の家」になっていくことでしょう。

「自分仕様の家」…というよりも、

「自分たち家族の人生のステージとなる生活の場」、をオーダーメイドで創り上げる

と考えると、それはとても価値のあることではないでしょうか。